TENNIS TIPS
今回から世界のテニスを見てきた中で伝えたいと思うことをお話しします。
最初はジュニアの皆さんにお話しすることです。
夏休みを前にしてもうすでに大会の日程でカレンダーが埋まっているのではと思いますがいすかがですか。
経験を重ねるために多くの大会に参加することは大切なことです。ゲームの進め方や作戦の練り方などを学びます。次に大切なことは「計画」を立てるということになります。つまり、どの大会が自分にとって次の段階に進むことになるのかを自覚して、トレーニングスケジュールを考え計画することです。このような考え方をTAPERINGとかPRIODZATIONと言います。
さて、どのようなことを計画に取り入ればよいのでしょうか。
これまで積み上げてきたトレーニングを振り返りましょう。また、これまでの競技歴と記録も振り返りましょう。つまり、今の自分の立ち位置を知ることです。毎日のトレーニングや大会てせの記録をまとめたテニスノートが立ち位置をしるのに役立ち、教えてくれます。自分についての情報ですね。これらをスタート台にして、一つ上の目指す自分を描くのです。
例えば、戦うためのフォアハンドストローク
に何を学びトレーニングに加えれば良いのか、コーチやテニス仲間達と一緒に話し合ってリストアップしてみましょう。同じように、それぞれの他のテクニックもリストアップしてください。
さて、誰にも、どのレベルのプレイヤーにも知ってほしい現代テニスのテーマについて説明しておきます。計画の視点にもつながるものです。
①「スピードと安定」を理解してください。ストロークやサーブ共にスピードがあっても安定しなければなりません。また、ゲーム中での疲労についても、直ぐに元気を取り戻さなくてはなりません。メンタルも常に好調にすることも大切です。
②次に「リズム」を意識することです。ゲームの流れを自分のものにするには、リズムを持ってボールに集中することです。そうすれば自分のオリジナルなテニスが生まれ楽しくなって行くのです。
③さらに「多様性」の大切さです。この60年のテニスゲームには典型的な交代がありました。ストローク対ストローク、ストローク+サーブ&ボレーやトップスピン全盛期がありました。アンダースピンも忘れてはなりません。そして、現代から近未来のゲームスタイルは、これらすべてのカテゴリーに長けていなくては、相手を上回ったゲームでのリーダーシップは発揮できないのです。
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①②③を「計画」を作る際によく理解しておいてください。
いよいよ次回は「計画」の立案です。
2023.7.12
計画の立案
計画の立案には、「3ヵ月の短期計画」・「半年の中期計画」・「一年間の長期計画」があります。まず、年間計画を立てて、そこからブレークダウンして中期・短期へと計画を作ります。
計画の最終目標は、1年後のゲームでどのように戦うかを主要なものにします。トレーニングの年齢や期間・頻度により目標の達成度は異なります。しかし、極めて高い目標は実現が難しいものです。
次に計画の段階へとなります。
①事前の評価と目標設定。
まず、計画を立てる前に、現在のテニスプレーについての評価や、自分の改善する箇所をコーチにポイントアウトをお願いしておくことです。Japan West Sports Academyではストローク・ボレー・サーブに関するそれぞれ30項目のチェックリストを提供しています。目標設定は手の届く範囲で、つまり、少し上の自分を目指した実現可能な設定にしましょう。
②計画に盛り込む内容
まず、テクニック、フィジカル、メンタルの柱を相関させながら立ててください。この三本柱がハーモニーするようなプログラムの作成ですね。
③時系列と季節の考え方
プログラムの設定で忘れてはならないこと、それは、時系列です。週単位で、あるいは10日間単位の設定で区切り良くステップアップさせることです。
日本は四季にとんだ国です。日の出や日没時刻は日々変化します。あわせて気温や湿度もプログラム作成に考えておくべきことですね。
④実施したプログラムの内容や評価を記録
どのようなメニューをトレーニングしたのか。そのトレーニングの習得度や難易度を必ず記録してください。記録で大切なことにはいろいろとあります。身長・体重・食事などを同時に日々のノートに記録することをおすすめします。
⑤プログラムはバラエティが必要
前の項でお話ししたように食事についての記録に加えて、時系列単位での睡眠はどうであるのかを記録することです。
また、プログラムにバラエティを、ということは、テニスだけでなく他のスポーツやトレーニングを加えることです。全身運動を忘れがちです。水泳やバスケットボール・サッカーなどもう一つのスポーツを試してください。そこには、テニスにとって大切なヒントに出会えると思います。
さて、このようにお話してきますと何か大切なことがあるのではと思い当たりませんか?
そうです。どれくらいの時間をトレーニングに使えばよいのか、ですね。
次回のテーマになります。
2023.7.20
Japan West Sports Academyプログラムの取り組みについて
こんにちは。春から大きく成長されと思います。それは、女子14歳、男子15歳のテクニカル取得のピーク年齢に達することを考慮すると、この1~1.5年、具体的には今秋から来春までが将来のプレーの基盤となる大切な時になります。私たちはピークまでの道筋を予測しながら一人一人のプログラムを実施していきたいと思います。弱点強化より長所を伸ばす方法です。ITF/国際テニス連盟が推奨する14歳以下の年間トーナメント数について、国内6、国際2、地域10大会を示しています。また、テニスに好ましい側面として、コーディネーションは13歳まで、テクニックは13歳まで、柔軟性は12歳まで、反応スピードは14歳まで、パワー筋力は13歳から、有酸素系・無酸素系トレーニングは13歳からと説明しています。ですから、この夏のトレーニングの強化をお話いたしました。日本では15-16に本格的になれば良いといわれますが、これが競技力の向上で大きな問題であると海外から指摘されてきました。選手たちは懸命の努力しています。家族やコーチがチームとなって日々の研鑽をすることが求められます。佐藤・坂井